浦村地区藻場保全活動組織(三重県鳥羽市)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、鳥羽磯部漁協、鳥羽市立海の博物館(19名)

● 地域の現状・課題

・浦村地区は、三重県鳥羽市に位置し伊勢湾口部に面している。

・活動区域である生浦湾では、奥深く波静かな地形を活かしてカキ養殖業が盛んに営まれており、県有数の産地となっている。

・生浦湾の砂浜域にはアマモ場が形成され、水質浄化や生物生産に重要な役割を果たしているが、近年は減少傾向にあり、その回復が課題となっている。

活動区域に広がる砂浜

活動区域のアマモ場

● 活動の内容

・現存するアマモ場の維持と、新たなアマモ場の形成を目的としている。

・漁協とアマモ場造成技術の造詣が深い鳥羽市立海の博物館が連携して、平成28年に活動組織を立ち上げた。

・アマモ種を採集して熟成させ、ゾステラマット等を用いて播種を行っている。

・地元の小学生を中心にアマモ場の観察会を行っている。

アマモ種子の採取

種子と砂泥を包んだガーゼ団子の作成

ゾステラマットの設置

海の博物館における学習会開催

● 活動の効果

・播種の効果は、場所により、また年によって異なっており、活動区域におけるアマモ場の被度は横ばいで推移している。

・モニタリングをとおして、播種の効果が現れにくい海域は、海水が滞留しやすい、水温が上がりやすい、アオサが繁茂しやすいなどの特性があることを把握しつつあり、今後は、より効果の高い手法を検討して活動を続けていきたい。

・観察会等を通じて、多くの子ども達と保護者に、アマモ場が有する多面的機能と、アマモ場を守る取組の大切さについて認識し、理解を深めることができている。

地元中学生によるアマモ苗の移植

生きもの観察会の開催

モニタリング

活動により繁茂したアマモ場