宿浦藻場協議会(三重県度会郡南伊勢町)

● 活動項目

藻場の保全

● 組織の構成

漁業者、三重外湾漁協、NPO法人SEA藻、南勢種苗センター(26名)

● 地域の現状・課題

・宿浦地区は三重県度会郡南伊勢町に位置し、南方に開放する五ヶ所湾の湾口部にあって熊野灘に面している。

・五ヶ所湾は奥深いリアス式海岸の湾で、刺し網など沿岸漁業を始め、波静かな地形を活かした魚類養殖や藻類養殖が営まれている。

・湾口域ではアラメ場が形成されていたが、磯焼けの進行が課題となっており、その要因と考えられるガンガゼ等ウニ類の駆除が必要となっている。

ガンガゼが繁殖し磯焼けが進行

● 活動の内容

・藻場の保全を目的として、ガンガゼ等ウニ類を対象とした食害生物の駆除を行っている。

・海藻の種苗投入を行い、藻場造成にも取り組んだ経緯がある。

・ウニ類は、船上から箱メガネで海底を観察し、深場ではヤスで突いて、浅場ではタモ網ですくい取り陸上で処理して除去している。

 

投入用アラメ種苗

アラメ種苗の設置

ガンガゼの駆除

● 活動の効果

・海藻の種苗投入における藻場造成は効果的な事例もあったが、最終的にはウニ類の食害には耐えきれず造成区域も磯焼け状態となった。

・現在は活動の中心を食害生物の除去に置いている。

・ウニ類が活発になる高水温期を中心に駆除を行い、年間2~3万個を除去している。

・駆除により、アラメ場の回復が認められるが、周辺海域からウニ類が侵入してくるため、顕著な回復には至っていない。

・藻場の維持のためには、食害の軽減が不可欠であり、駆除範囲を広げるなど対策を検討しながら活動を継続していきたい。

生育した投入種苗

駆除したガンガゼ