夢前川の環境を守る会(兵庫県姫路市)

● 活動項目

内水面生態系の維持・保全・改善

● 組織の構成

漁業者、夢前川漁協、自治会(199名)

● 地域の現状・課題

  • 夢前川は、日本三彦山の一つである雪彦山(標高884m)を源とする長さ約37.9kmの2級河川です。比較的緩やかな勾配が続き、水質は環境基準によれば上流はAランク、下流はBランクと比較的きれいな川です。雪彦山の南麓から流れを発し、町内を縦断して瀬戸内海に注ぐ川です。
  • 一時期は生活排水や河川改修の影響で、ごく普通に見られた魚も急激に数が減り、絶滅した魚もあり、生態に変化が出てきました。最近は生活排水処理施設の整備が進み、環境保全型の魚巣ブロックを使用した護岸工事などにより、河川環境も変わりました。また山では、森林の間伐など整備がされていないため荒廃材が多く、本来の山、森林の機能を果たしていないため、山崩れ、土砂災害、洪水が多く発生するとともに、川・海に生息する生物に必要なミネラルが減少しているように感じられます。そのため、鵜・サギなど多く生息し魚類が減少している。
  • 川には土砂堆積、雑木等が生えており除去が必要である。

● 活動の内容

  • 川が育んできた地域の歴史や文化、景観を活かすとともに、水にふれ合い、親しめる親水空間の形成にも取り組んでいくため、平成25年度より「夢前川の環境を守る会」を立ち上げました。毎年夏休み初めに川遊びと自然観察会「見つけよう水辺の生き物たち」を開催。講師数名を招いて夢前川にまつわる民話、紙芝居、川遊びを通し夢前川の生き物を観察、調査。夢前川の自然環境について学習するとともに自然保護に努めています。
  • 年1回の河川清掃では夢前町地域住民が1戸につき一人参加して行っています。雑草草刈り、大型ゴミ、ポイ捨てゴミの回収を行い、不定期にゴミ回収も行っています。

● 活動の効果

  • 川遊びと自然観察会は、夏休みを利用し、夢前町内の各校区を輪番制で回るため、たくさんの子どもや保護者の参加があります。学習会では夢前川の四季の美しさ、民話、生物について専門の講師からパネルを使っての説明があり、川遊びでは、網でいろんな生き物を捕り、講師に説明を受けます。川に棲む生き物の調査、自然環境の大切さ知ってもらう良い機会となっていて大変好評であり、環境保全の啓発になっています。
  • 河川清掃活動によって、大型ゴミ、ポイ捨てゴミが減少しています。